少し前、『おさえ屋』の社長と打ち合わせをした。
生地を切断し、圧力でレンズに沿わせたカーブを入れてもらう為だ。
その際に
「やりたい事は分かる。 けど想いが強すぎ!」と言われてしまった。
以前なら憤りを感じただろうが、
社長の言葉が何とも心に染みてきた。
具体的に書けば、
『カーブ入れ』という工程は
100℃を超える精製グリセリン液の中で温めて、
写真のような金型にはめプレスして曲げていく。
今回の生地は11,2ミリと分厚い。
なので芯まで熱が伝わらなければ、きちんとカーブを入れられない。
芯まで温めれば、生地が柔らかくなり過ぎる事もある。
そうすれば生地がプレスの際、潰れやすくなる。
『許容範囲』が小さ過ぎる事を社長にたしなめられた。
そして納入されてきた生地を確認した。
話しは少しそれて、
『完璧な物』『妥協のない物』というのは響きはいいが、
僕にとってそれは誤りなんだと思う。
余白を持つ事も大切なんだと思う。
さぁ 削るぜ。