これまでに発表してきた眼鏡は、
型から全て、手造りで行っており
フレームに施された七宝の『ライン』も、手で型を作っていた。
新型は初めてCADで『ライン』を掘る事にして
やはり『直線』や『幾何学模様』はCAD制御で削った方が正確なのだ。
座掘り屋さんに手描きの図面を渡して、
CADにおとしてもらう途中、面白い事がおきた。
座掘り屋の主人なりの
『座掘りの美学』があるらしく、
主人 「丹下さんのデザインの意図も分かりますが、僕はね長年の経験で
ここは0.8mmづつ均等に配置した方が、美しく仕上がると思うのですがね。」
僕 「いやいや、これはレンズラインを主体に、沿わせて配置してほしいのですよ。」
そんなやり取りでラインの位置決めだけでも1時間位話し合った。
製造現場で1時間も話し合うなんて事は珍しい事だ。
主人の意見を大きく取り入れる形となり、
先程納品されてきたが
お~素晴らしい出来になってるよ。