失敗と『曜変天目茶碗』

『BIG FOOT』、『TERERE』のテンプルに不具合が生ずる事が分かった。

 

加工メーカーさんと確認のやり取りをして動いていた中、

新型で使用する生地の『色』を、加工中に大きく損ねてしまう事が分かった。

 

これまで親身に『DEEP HALF』、『OOGA』を対応してくれたメーカーさんで

今回は想定外の出来事だったので、責めることは出来ない。

 

 

なので大幅にデザインの修正をかけて再度テストする事になった。

さらに修正案も不具合を起こした場合についての製法の変更の準備を進めている。

 

 

色んな事が頭の中でグルグル回って

完成していてる『BIG FOOT』、『TERERE』の前枠達の前で

グッタリしてしまった。。。

 

 

なんで、もっとスマートにポンポンポンと

事が進まないのだろうかと。。。

 

 

落ち込んでいる中、NHKオンデマンドで

『国宝 曜変天目(ようへんてんもく)茶碗』

 

の事が取り上げられている番組があった。

800年前の南宋時代に作られ、全世界で3碗(破損した物を含めると4碗)

しか現存していない名碗。

(こちらは藤田美術館所蔵の曜変天目)

 

その中で僕の心を捉えたのが

『曜変天目』を再現しようとしている長江惣吉さんという職人さん。

 

 

この茶碗は800年前の一時期しか作陶されず

作り方など一切残っていない。

 

これまで、人間国宝などの名工がその再現を試みたが

誰も作ることが出来なったという名碗。

 

長江さんの父親も『曜変天目』を再現を試み

惣吉さんはその想いを継いで、半世紀にわたり完成を目指していた。

 

 

50年の失敗。

 

 

それでも前に進もうとしている姿勢。

僕もモノ作りに携わっているからか

途中から感情移入してしまいグッとくる物があった。

 

 

ただ4回目の失敗じゃないか。

少し支えてもらったような気がする。

2016年6月16日 10:37 PM  |  カテゴリー:製作日記,私事

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