春の雪。

作業を終え、仕事を納めました。

 

話は少しそれますが、

読まなければと思っていた本も読み終えました。

 

 

数年前、帰省した際に父上の部屋の本棚を眺めていて、

「一番、面白いと思う小説は?」と聞いたところ

 

「これが最も美しい文学だ。」と渡されたのが、

三島由紀夫の著した『春の雪 (豊饒の海・第一巻)』でした。

 

渡された当時は、緻密な世界感になかなか没入出来ず、止まってしまいました。

 

時間を経て、ある事がきっかけで

やはり父上の最も美しいと思った物語はどんなだろうと思い、改めて読み始めました。

 

 

内容としては

日露戦争後の大正時代の華族の令息と幼なじみの悲恋の物語で、

 

三島先生の言葉の紡ぎ方を知悉した文体は私には難しく

仏教の用語も出てきたりするので、辞書で調べながら読み進めました。

 

 

途中まで色を持たない『無色』の世界だという印象でしたが、

後半にかかる頃から、色彩を放ち始めて

 

おぉ~となり、

 

「死」への描写がたびたび出てくるのと、悲しい物語だとは聞いていたので

次第に色は褪せていくのかと思っていましたが、

 

最後まで色は保持されたままでした。

 


美しい物語だと思います。

 

大晦日、父上に会いにいくので晩酌しながら話をしてみたいと思います。

 

 

 

 

2017年12月31日 12:29 AM  |  カテゴリー:私事

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