7年前の1月に工房を構え船出をした。
平坦では無かったが小さな木造の帆船のような規模でも、作り続けて来られた。
2020年の1月の航行中、遠くにあったと思っていた雲は忽ち大きな嵐となって頭上を蔽い
帆船は猛った海に翻弄されるかもしれない。
少し時間を遡る事が出来たとして、
メガネに魅せられた20年前の二十歳の丹下くんが海岸に居て、岸から2020年の今の僕を見たらきっと
「お~!すげぇ!! 大変だけど自分の眼鏡作れるようになったんだな!!」と言うと思う。
だから絶対に沈めてはいけない。そんな心構えだ。
そんな中パッと横を向いたら、もう一隻の嵐の中を走ってる帆船を見つけた。
glass joy 02の中村君だ。
中村君は冷静に客観的な見方を出来るので、通信をしたく連絡をとってみた。
プルルル~ プルルル~。
受話器の向こう側に、嵐の中でもこの微笑みの安心感があるのですな。
そして色々な話をした。
目指してる島は違うが、同じ航海術を持っているので
お互い何がこの状況下で出来るかを話した。
嵐の中でのこの微笑みは癒しですな。
「そうだな。 お互いに出せる能力を使おう。」と話した。
afterコロナ、withコロナ、postコロナと消極的な情報が流れてきて辟易する中、中村くんと話せてよかった。
将来を僕が予測する事はたぶん意味がなく
今は僕に出来るメガネの事に熱中すればいい思う。
荒れる中でも、とりあえず好きな音楽を聴きながら帆を立てて作ろう。